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WordPress 2017年1月_脆弱性レポート  2017/2/9

2017年1月度のWordPressに関する脆弱性レポートをお知らせします。

1月度全体の脆弱性報告件数としては28件でした。12月度から2件増加しております。

個所別レポート

個所別の発生件数は、それぞれ本体で11件、テーマは0件、プラグインが17件でした。

内容ですが、本体に関しましては今月は11件の脆弱性が発生致しました。こちらは直近1年以内の数字としては過去最大数となっております。
テーマに関しましては今月は脆弱性が発生しませんでした。

また先月に引き続き最多発生はプラグインとなり、脆弱性に気を配る必要があることがわかります。

トピックス

前述のとおり本体に関しましては4か月ぶりに脆弱性が11件発生しております。

内容としましては、2回発生しており、1回目はバージョン4.7以下(正確には各脆弱性ごとにバージョンの範囲が異なります。詳細は記事下部にある表をご参照ください。)にクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)やクロスサイトスクリプティング(XSS)等合計8件の脆弱性が発生しております。

(参照リンク:WordPress 4.7.1 Security and Maintenance Release

2回目はバージョン4.7.1以下(正確には各脆弱性ごとにバージョンの範囲が異なります。詳細は記事下部にある表をご参照ください。)にエスキューエルインジェクション(SQLi)やクロスサイトスクリプティング(XSS)等合計3件の脆弱性が発生しております。

(参照リンク:WordPress 4.7.2 Security Release

対策版に関しましては下表のとおりです。
(注:上記2回、計11件の脆弱性分を併せて記載しておりますのですべての脆弱性が下表に該当するわけではないのでご理解くださいませ。)

現在ご利用のバージョン 対策済みバージョン
2.8~3.6.1 4.7.2
3.7~3.7.17 3.7.18
3.8~3.8.17 3.8.18
3.9~3.9.15 3.9.16
4.0~4.0.14 4.0.15
4.1~4.1.14 4.1.15
4.2~4.2.11 4.2.12
4.3~4.3.7 4.3.8
4.4~4.4.6 4.4.7
4.5~4.5.5 4.5.6
4.6~4.6.2 4.6.3
4.7~4.7.1 4.7.2

(※2017年2月9日現在の最新版です。)

(※2回目と同時期に発生した脆弱性がもう一件ありましたが、その内容の危険性を鑑み、発表を2月に遅らせたものがあります。そちらは次月でも詳細を記載する予定ですので1月度の内容から省いております。また、こちらは最新バージョン4.7.2ですでに対策されております。(参考リンク:WordPress の脆弱性対策について))

 

テーマに関しましては前述のとおり脆弱性が発生しませんでした。

 

プラグインに関しましては、先月から9件減少し17件の脆弱性が発見されました。そのうち有名プラグインに脆弱性が発見されました。

1つ目は、アクティブインストール100万以上、総ダウンロード数2041万以上の人気プラグイン『WooCommerce』にクロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性が発生しております。

このプラグインはWordPressをECサイト化できるプラグインです。WordPressにてネットショップを開設するのには欠かせないプラグインのようです。

お使いの方は、バージョンの確認をすることを推奨します。

脆弱性はすでにアップデートによって修正済みで、バージョン2.6.9以上への更新によって塞ぐことができます。
(※2017年2月9日現在の最新版はバージョン2.6.14です。アップデートする際は、こちらの最新版へのアップデートをお勧めします。)

2つ目は、アクティブインストール40万以上、総ダウンロード数204万以上の人気プラグイン『InfiniteWP Client』に1件の脆弱性が発生しております。

このプラグインは複数のWordPressサイトを管理するプラグインです。お使いの方は、バージョンの確認をすることを推奨します。

脆弱性はすでにアップデートによって修正済みで、バージョン1.6.1.1以上への更新によって塞ぐことができます。
(※2017年2月9日現在の最新版はバージョン1.6.3.2です。アップデートする際は、こちらの最新版へのアップデートをお勧めします。)

その他ご利用中の方が多い以下の人気プラグインにおいて脆弱性が発見されたため旧バージョンをご利用中の方は最新のプラグインにアップデートされることをお勧めいたします。

  • CMS Commander ClientにてPHP Object Injection
  • Google FormsにてPHP Object Injection
  • Sliderにてファイル操作に関する脆弱性
  • XCloner – Backup and Restoreにてパストラバーサル
  • BuddyPressにてファイル操作に関する脆弱性

内容別レポート

脆弱性の内容別発生件数は、1位がXSSで8件、2位がBYPASS関連で5件、3位はCSRFとRCEでそれぞれ4件でした。

トピックス

12月度と比較して、脆弱性の総数は微増しております。それに合わせて1位のXSSや3位のCSRFなどを筆頭に全体的に増加しております。

その一方で、SQLインジェクションは大幅に減少しております。ただし、これは先月までの2か月が平均より多く発生していたことに起因しており、通常の月の数字に戻ったともいえそうです。

 

脆弱性一覧

2017年1月の脆弱性一覧をまとめましたのでご参照ください。

以下リストに掲載されている本体バージョン、テーマ、プラグインがある方は、一度診断されることをお勧めいたします。

脆弱性分類ですが、掲載時点の内容の為、ご確認いただく時点で内容不明の分類が変更されている可能性もございますので、それもKYUBIにて最新の状態をご確認いただくことをお勧めします。

また、ご確認のタイミングによっては新たな脆弱性が発見されている可能性もございますので、こちらもKYUBIにて一度ご診断していただくことをお勧めします。

また、バージョンに関しましては、脆弱性情報が発見されたものを記載しておりますが、そのバージョン未満でも同様の脆弱性が発生している可能性がある為、最新版に更新することをお勧めしております。

但し、最新版でも脆弱性内容が修正されていないプラグインも少なからず存在しておりますので、対策されていないプラグインをご利用の方は、ご利用を控えるか、別の同様のプラグインに変更されることをお勧めします。

 

表:2017年1月度脆弱性一覧

発見個所 脆弱性分類 脆弱性のある本体・プラグイン・テーマの名称 発見されたVer.
本体 Others WordPress 3.0-4.7
本体 CSRF WordPress 2.8-4.7
本体 Others WordPress 4.7
本体 XSS WordPress 3.4-4.7
本体 CSRF WordPress 4.7
本体 XSS WordPress 2.9-4.7
本体 BYPASS WordPress 4.7
本体 RCE WordPress 4.3-4.7
本体 XSS WordPress 4.3.0-4.7.1
本体 SQLI WordPress 3.5-4.7.1
本体 BYPASS WordPress 4.2.0-4.7.1
プラグイン LFI Direct Download for WooCommerce 1.15
プラグイン XSS Responsive Poll 1.6.4,1.7.4
プラグイン CSRF Responsive Poll 1.6.4,1.7.4
プラグイン SQLI 404 Redirection Manager 1.0
プラグイン RCE CMS Commander Client 2.21
プラグイン XSS Chained Quiz 0.9.8
プラグイン RCE Google Forms 0.84-0.87
プラグイン XSS WangGuard 1.7.2
プラグイン BYPASS Slider 1.1.89
プラグイン CSRF FormBuilder 1.0.7
プラグイン SQLI FormBuilder 1.0.7
プラグイン RCE InfiniteWP Client 1.6.0
プラグイン BYPASS XCloner – Backup and Restore 3.1.4
プラグイン BYPASS Stop User Enumeration 1.3.4
プラグイン XSS Stop User Enumeration 1.3.5-1.3.7
プラグイン XSS WooCommerce 2.6.8
プラグイン AUTHBYPASS BuddyPress 2.0-2.7.3