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WordPress 2018年2月_脆弱性レポート  2018/3/2

2018年2月度のWordPressに関する脆弱性レポートをお知らせします。

2月度全体の脆弱性報告件数としては15件でした。2018年1月度から17件減少しております。

個所別レポート

個所別の発生件数は、それぞれ本体が1件、テーマが2件、プラグインが12件でした。

本体に関しまして、先月に引き続き、今月も脆弱性が発生しております。
しかし、今回発生した脆弱性に対して、WordPress公式側からセキュリティアップデートはきておりません。
理由や詳細についてはトッピクスにて後述します。

テーマに関しましても脆弱性が発生しております。
こちらも、先月以来の発生となります。

また、先月に引き続き最多発生はプラグインとなりました。
今月は、発生件数が少ないものの、有名なプラグインにて脆弱性が発生していますので、気を配る必要があります。

トピックス

前述のとおり本体に関しましては、脆弱性が1件発生しております。

本体の「wp-admin」以下にある「load-scripts.php」にて複数のパラメータを送信することによってDOS攻撃ができることが発見されました。

WordPress本体は、JSやCSSファイルをロードするときにクライアントから送信されるリクエスト量を節約するよう設計されているので、ブラウザが複数のJS / CSSファイルをロードする必要があるときは「load-scripts.php」を使用するようになっております。

実際に以下の画像のように、複数のパラメータを送信(Pythonを使用)すると、サイトが重くなってロード時間が長くなったり、サイトが表示されなくなります。

しかし、WordPress公式ではDOSの脆弱性が、バグを修正するに至るバグバウンティプログラムの範囲外であり、WordPress公式側も「この種の問題は、アプリケーションレベルではなくサーバまたはネットワークレベルで緩和されるべきです。これはWordPressのコントロールの外にある。」との見解みたいです。

なので、実際にパッチ(セキュリティアップデート)がきておりません。

この脆弱性を緩和するために、関連ファイルを変更する「bash script」がこちらにあります。

スペックの低いサーバーやネットワークをご使用のお客様は、変更をしておいてもいいかもしれません。

(参照:https://baraktawily.blogspot.jp/2018/02/how-to-dos-29-of-world-wide-websites.html
(参照:https://thehackernews.com/2018/02/wordpress-dos-exploit.html

 

 

テーマに関しましても前述のとおり、2件脆弱性が発生しております。

「Swape」という海外のテーマから、BYPASSとXSSの脆弱性が発見されました。

脆弱性はすでにアップデートによって修正済みで、バージョン1.2.1以上への更新によって塞ぐことができます。

 

 

プラグインに関しましては、先月から18件減少し12件の脆弱性が発見されました。そのうち有名プラグインに脆弱性が発見されました。

 

1つ目は、アクティブインストール300万以上、総ダウンロード数4030万以上の人気プラグイン『WooCommerce』にキャッシュされたクエリがオブジェクトの挿入を引き起こす脆弱性が発生しております。

このプラグインは、サイトにEC機能を追加できるプラグインです。

お使いの方は、バージョンの確認をすることを推奨します。

脆弱性はすでにアップデートによって修正済みで、バージョン3.2.4以上への更新によって塞ぐことができます。
(※2018年3月2日現在の最新版はバージョン3.3.3ですのでこちらの最新版への更新をお勧めします。)

 

2つ目は、アクティブインストール100万以上、総ダウンロード数950万以上の人気プラグイン『Ninja Forms』にXSSの脆弱性が発生しております。

このプラグインは、サイトに「お問い合わせ」を設置できる、フォーム作成プラグインです。

お使いの方は、バージョンの確認をすることを推奨します。

脆弱性はすでにアップデートによって修正済みで、バージョン3.2.14以上への更新によって塞ぐことができます。
(※2018年3月2日現在の最新版はバージョン3.2.16です。)

 

3つ目は、アクティブインストール50万以上、総ダウンロード数280万以上の人気プラグイン『Instagram Feed』にXSSの脆弱性が発生しております。

このプラグインは、InstagramのフィードをWordPressサイトに表示させるプラグインです。

お使いの方は、バージョンの確認をすることを推奨します。

脆弱性はすでにアップデートによって修正済みで、バージョン1.6以上への更新によって塞ぐことができます。
(※2018年3月2日現在の最新版はバージョン1.6.1です。)

 

その他ご利用中の方が多い以下の人気プラグインにおいて脆弱性が発見されたため旧バージョンをご利用中の方は最新のプラグインにアップデートされることをお勧めいたします。

  • Photo Gallery by WDにてクロスサイトスクリプティング(XSS)
  • Custom Permalinksにてクロスサイトスクリプティング(XSS)とSQLインジェクション
  • flickrRSSにてクロスサイトスクリプティング(XSS)とCSRF
  • Bookly #1 WordPress Booking Pluginにてクロスサイトスクリプティング(XSS)

内容別レポート

脆弱性の内容別発生件数は、1位がXSSで9件、2位がSQLインジェクションで2件でした。

トピックス

1月度と比較して、脆弱性の数が減少しており、1位のクロスサイトスクリプティング(XSS)が8件、2位のSQLインジェクションも4件減少しております。

脆弱性一覧

2018年2月の脆弱性一覧をまとめましたのでご参照ください。

以下リストに掲載されている本体バージョン、テーマ、プラグインがある方は、一度診断されることをお勧めいたします。

脆弱性分類ですが、掲載時点の内容の為、ご確認いただく時点で内容不明の分類が変更されている可能性もございますので、それもKYUBIにて最新の状態をご確認いただくことをお勧めします。

また、ご確認のタイミングによっては新たな脆弱性が発見されている可能性もございますので、こちらもKYUBIにて一度ご診断していただくことをお勧めします。

また、バージョンに関しましては、脆弱性情報が発見されたものを記載しておりますが、そのバージョン未満でも同様の脆弱性が発生している可能性がある為、最新版に更新することをお勧めしております。

但し、最新版でも脆弱性内容が修正されていないプラグインも少なからず存在しておりますので、対策されていないプラグインをご利用の方は、ご利用を控えるか、別の同様のプラグインに変更されることをお勧めします。

表:2018年2月度脆弱性一覧

発見個所 脆弱性分類 脆弱性のある本体・プラグイン・テーマの名称 発見されたVer.
本体 DOS WordPress本体 4.9.4
テーマ BYPASS Swape
テーマ XSS Swape
プラグイン XSS PropertyHive 1.4.14
プラグイン XSS Bookly #1 WordPress Booking Plugin 13.2
プラグイン SQLI WP Fastest Cache 0.8.7.4
プラグイン XSS MailChimp for WordPress 4.1.6
プラグイン XSS Instagram Feed 1.5.1
プラグイン XSS flickrRSS 5.3.1
プラグイン CSRF flickrRSS 5.3.1
プラグイン SQLI Custom Permalinks 1.1
プラグイン XSS Custom Permalinks 1.1
プラグイン XSS Ninja Forms 3.2.13
プラグイン XSS Photo Gallery by WD 1.3.66
プラグイン UNKNOWN WooCommerce 3.2.3